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花の市場 南関東花き園芸卸市場


8月8日、市場が花であふれるという時期に、 花のセリを見学できることになった。
場所は都内から車で約1時間。 厚木にある南関東花き園芸卸市場。 南関東花き市場では、関東では数少ない手セリが 行われている。
そもそも、競り(セリ)って? なんとなくしかわかっていない。 ウィキペディアによると
"『販売目的で何らかの場に出された物品を、
最も良い購入条件を提示した買い手(入札希望者)に売却するために、
各々の買い手が提示できる購入条件を競わせる事である。』"
つまり、 「いいものを安く仕入れる」 ということになるのだろう。
そして、手セリとは? 言葉のごとく、セリ人と呼ばれる「人」の手で商品が掲げられ、値交渉が行われる。 今では機械によるセリやインターネットによる仕入れが可能になり 手セリを行っている花市場は全国でも4割程度だとか。 時代によってセリの方法も変化している。





南関東花き市場のセリは7時から開始ということで、 6時半ごろからスタンバイ。

次々に花屋のトラックが到着。  ん?でも、さっさと帰っていくトラックも。
花の仕入れには方法がいくつかあり、
帰る人はみな、インターネットや電話で 仕入れをしてすませているそう。

そんな話を聞きながら、セリの開始をそわそわしながら待つ。




7時少し前に市場の中へ潜入。
セリ場の手前には、当日セリにかかる花が 山積みになっている。
大体1時間くらいと聞いていたが、 こんなにたくさんの花を1時間で!?


いよいよ、セリが始まる…
セリ場はひな壇のようになっており、 買い手(花屋さん)150人くらいは入れるだろう。
セリ人は7名、ひな壇の前に並ぶ。背後には大量の花。
「おはようございます。」というセリ人の挨拶と同時にセリが開始。
息つく間もなく、セリ人の威勢のよい掛け声が飛び交う。
鳥肌が立つ。
一言、「かっこよすぎ」。


その迫力に最初は完全に見とれてしまっていたが、セリ人の掲げる花は次々に変わり、
前方にある電光掲示板の花もどんどん変わっていた。
つまり、見とれている間に、花は次から次へと競り落とされていたわけだが。
誰がどうやって、花を競り落しているんだ?という疑問が。
セリ人が指をさした人、アイコンタクトを取った人が、競り落しただろうことは
想像がついたが、その先、どうやって買い手のもとに花が届くのかが不明だ。
電光掲示板を見ていると、3ケタまでの番号が次々表示され、 多分それらが買い手の番号だろう。
でも、ここのセリ場にいる買い手にはテレビでよく見る市場の帽子、
番号札の付いた帽子をかぶっている人が一人もいない。買い手に番号がないとなると、
完全に不明である。全くわからないので、聞いてみた。
前方の電光掲示板には、まずセリの対象となる花の情報が掲示される。
①花の生産地・生産者 ②花の大きさ・色 ③何本で何口 ④競り落とされると買い手の番号
そして、買い手の番号がどう判別されているかだが、
ここ南関東花き市場のセリ人は、買い手一人ひとりの顔と買い手番号を覚えているそう。
すごすぎ。
それだからか、セリ人と買い手の間にはとても人情味あるやりとりがあるのだ。
そのやり取りの一つ…  お願いして買ってもらう。
すごい技。これは信頼関係あってのすご技であるとつくづく、同じ場所にいて感じた。
初めてセリを見学した私が見ても、セリ人7人と買い手の150名ほどの間では様々なやり取りが行われている。 セリ人7人にはそれぞれの必殺技があるのだろう。
これは伝えたくても、その場にないと味わえないものの一つだろう。


私の感想ばかりで、これでセリのシステムがよくわからない。
申し訳ないので、セリの流れを書いてみる。

①電光掲示板に生産地・生産者、花の品種が掲示され、セリ人が花を掲げる。
②セリ人が掛け声をかける。値段をいう。
  なかなかその値段で買い手がつかないと値は下がる。
③買い手が手を挙げる。
④セリ人が指をさす。
⑤セリ人は買い手の番号をオペレーターに伝える。
⑥オペレーターは掲示板に番号を反映。
⑦同時にセリ人の脇にある機械から買い手の番号の付いたシールが出る。
⑧そのシールを商品に貼り、前にあるコンベアに流す。
⑨仕訳されるので、最後に買い手はそれを持って帰る。

書いてしまえば、この9つなのだが、それ以外の楽しみはここに書ききれるものではない。
セリ人はできればいいものを高値で売りたいだろうし、
買い手は少しでも安くいいものを仕入れたい。
まさに死闘だ。
生産者から届いたきれいな花は、市場のセリ人を通して、 花屋にバトンタッチされる。
そうして花は花屋の店頭に並ぶ。 たくさんの人と関わり、さらにたくさんの人へ幸せを届けるのだ。
私はセリ人への憧れと、セリで味わったこの興奮をみなへ伝え続けていくことだろう…


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